桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

2020-01-01から1年間の記事一覧

「ハートの問題や」

写真はハートを背負ったカメムシ。参加者の中で最年少の6歳児が発見した。 今朝は人里を抜けて、水源近くへ。山の中を移動した。鮎とイワナの卵の放流のために。小雨の中、朝7時半に出発して、各地の川の上流へ。いくつも車が連なり、川沿いに山道を上がって…

自分メモ:"The Lives of Japanese War Brides in America”

NHK World "The Lives of Japanese War Brides in America: Part 2"戦後、進駐軍の人と恋に落ちて海を渡った日本女性たちの生き様が世代をまたいで紹介されたテレビ番組。 日本でもアメリカでも偏見に屈せず、その中で生きる道を作ってきた人たち。相手を見…

ニュータウンの一時的な風景

山と町の境界にたたずむ。 コンクリートで固めた重さ約2トンのオンバシラ。並々ならぬ思いを持って企てた人たちがいて、地域の人たちと共に作り、坂道を上がって、100人がかりでこの場所に運んできたと聞いた。えらいこっちゃ。 オンバシラに刻まれた詩によ…

アメリカ村やった

「久々子(福井県美浜町)にな、こんな立派な梁の家が建っとるとこは、だいたいアメリカに行っとった家系や。この家のおじいさんもアメリカに行って稼いだお金でこの家建てたんや。おじいさんは、英語の辞書見ながらアメリカ人とケンカしとったらしいわ」 祖…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』9月21日号の連載「はたらく夫婦カンケイ」で記事を書きました。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を立ち上げ、共同で運営しているルシール・レイボーズさんと仲西祐介さんに、新拠点の「DELTA」で取材しました。撮影は楠本涼さん(2016年の同写…

自転車 Season 1 - 長月

「オーライです」 なじみのジャズ喫茶。L字型のカウンターに9席の小さなお店。マスターがコーヒーを淹れると、ミチヨさんにバトンタッチするのに、目の前で張り切った声が聞こえた。 あれ?聞き慣れた掛け声だなと思ったら、夜中のサイクリングでも、マスタ…

旅人の感覚

読書と、初校の校正の作業。京都ではこの場所でやりたかった。開業から17年、今もずっと旅人を受け入れ続けている五条ゲストハウスのカフェで。 実際に旅に出なくても、旅人の感覚というものがある。旅人の空気が建物に染みこんでいる、この空間でなら、自分…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』8月31日号「はたらく夫婦カンケイ」で記事を書きました。裏表紙から3ページ目の連載です。 今回のご夫婦は、納谷衣美さん(ブックデザイナー)と荻野晴生さん(言語聴覚士)。納谷さんには以前、長谷川書店水無瀬駅前店で開かれた小さなお話…

自転車 Season 1 - 葉月

再び、滋賀で夜中のサイクリング。なじみのジャズ喫茶のマスターが、満月の夜に自転車で走りに行くのに、仲間の方々とご一緒させてもらった。 ジャズ喫茶の道、50年以上。自転車の道、40年以上。どちらもマスターであり、それは相互関係にある。ジャズレコー…

「ありがとうな」

先日、81歳の現役の方にインタビューを行った。定年までの42年は手染めの職人して、定年以降は培った技術を教える仕事を21年、通算63年、手しごとの道を歩んでこられている。自らの歩みをじっくりと語るインタビューを受けたのは初めてらしく、事あるごとに…

日本のなかの異文化

昨日7月24日、いつものようにジャズ喫茶に入ろうとしたら、同じタイミングで来た男性がいた。ドアの前で顔を見合わせて、互いに先を譲り合う。かっこええおっちゃんやな、というのが第一印象。その人の目がとても澄んで見えたから。 店内に入るなり、マスタ…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』7月20日号の「はたらく夫婦カンケイ」で、記事を構成しました。取材させていただいたのは、大阪ガスの谷島雄一郎さんと、妻の美和さん。 雄一郎さんは、がん経験を価値に変えるプロジェクト「ダカラコソクリエイト」を発起したり、がんをはじ…

「僕の時計は50年前から止まったまんま」

なじみのジャズ喫茶。ノラ猫のようにふらっとやってきて「ごはん」と一言。マスターと並んで我が家のようにして夜ごはんを食べているおっちゃんがいる。 「コンちゃん」と呼ばれているその人は、遠慮しいの私でさえ、父親よりも年上なのに気兼ねなく愛称で呼…

自転車 Season 1 - 水無月

月光浴をしながら、夜通し自転車で走った。ひっそりと静まる湖東の夜、お月さんが昇り日付けが変わる頃にスタート。案内してくれたのは、なじみのジャズ喫茶のマスター。 40になってから夜に滋賀をサイクリングするようになった。走りながら「オレの道」を開…

自転車 Season 1 - 水無月

月光浴をしながら、夜通し自転車で走った。ひっそりと静まる湖東の夜、お月さんが昇り日付けが変わる頃にスタート。案内してくれたのは、なじみのジャズ喫茶のマスター。 40になってから夜に滋賀をサイクリングするようになった。走りながら「オレの道」を開…

声をかけるのを躊躇しない

一昨日、自転車で街中を走っていたら、バングラデシュ人のご家族が道ばたでしゃがんでいるのが見えた。 一旦は通り過ぎたものの何となく気になって振り向くと、お父さんらしき人が辺りをきょろきょろしていて、近隣の人たちが遠巻きに見ているものの誰も近寄…

建物に染み込む旅の気配ーー五条ゲストハウス

五条ゲストハウスのカフェが再開したと知り、訪れた。約2カ月ぶりの店内。入ってまず感じたのは、空気感が変わっていないこと。その場が海外からの観光客で賑わっていなくても、長年、人々が行き交ってきた気配は建物にしみ込んでいて、それは2カ月閉めてい…

チャイケモウォーク2020

先日、取材させていただいた、あるご家族との出会いがきっかけで、チャイケモウォークのことを知りました。今日5月24日が開催日。取材を共にした方と、ライターとして、カメラマンとして誌面を通して伝える仕事に限らずとも、個人としてできることだってある…

「今日はランディさんの誕生日やねん」

なじみになったジャズ喫茶。人が集うことが難しくなってきている社会状況下で、営業時間を短縮しながら気をつけて何とか開けておられる。先日行った時、「今日はランディさんの誕生日やねん」とマスターが教えてくれた。目の奥が輝いていた。 店内で、NYでの…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』(4月20日号)の連載「はたらく夫婦カンケイ」で、奈良・大宇陀に住む天根静也さんと真奈美さんご夫妻にインタビューし、記事を構成しました。(写真はMIKIKOさん。) 夫の静也さんはお坊さんであり、起業サポート事業などを行う会社の代表、…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』(4月6日号)に記事を書きました。巻末の連載「はたらく夫婦カンケイ」で、ジャワ舞踊家ご夫妻の佐久間新さん・ウィヤンタリさんをインタビューし、記事を構成しました。 取材場所は、大阪と京都の山間にある集落。お二人が結婚して、インドネ…

再び、五条ゲストハウスへ

再び行かずにはいられなかった、五条ゲストハウス。先日、オーナーの方の切実な投稿を読んで、カフェを訪れた。そこで、空間に立ち込める旅人の濃厚な気配に魅了されて、再び夜のカフェへ。 カウンターで注文時、スタッフの方と少し長めに目が合った。「もし…

五条ゲストハウスへ

今朝、京都のゲストハウスのオーナーの方の投稿のシェアをたまたま目にした。文章に切実さを感じ、まずは行ってみようと思い立ち、夜のカフェへ。どれだけ深刻なのだろう…とドキドキしながら中に入ると、カフェには旅人らしき3人が、それぞれにご飯食べたり…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』(3月23日号)に記事を書きました。巻末の連載「はたらく夫婦カンケイ」で、大熊隆太郎さん(演出家・マイムパフォーマー・俳優・「劇団壱劇屋」座長)と佐々木ヤス子さん(俳優「サファリ・P」所属)ご夫妻をインタビューし、記事を構成しま…

海の青、波の音、磯の香

帰省の最終日、高浜町へ(福井県)。波の音に誘われて海に出た。磯の香りが漂う若狭湾。空の青、海の青に、私も染まっていくような気分になった。 高校の友人の一人は、故郷の高浜町で子育てしながら、ドイツの会社に属してリモートワークをしている。それは…

さよならとはじまり

思いがけない引越し、終わりと始まりは突然にやってきた。 京都に移り住んで7年。ある日、住まいで怖いことが起きた。もう、ここにはいられない。非常時にも関わらず、遠慮しいの私は、助けて、とすぐに周りに甘えられなかった。だけど、心身ともに限界で、…

雑誌掲載:『AERA』「はたらく夫婦カンケイ」

週刊誌『AERA』2020年1月13日号に記事を書きました。本誌の後ろにあるカラー1ページの長寿連載「はたらく夫婦カンケイ」で、大阪府三島郡島本町に住む岡村友章さん、紀子さんご夫婦を紹介しています。 実は、友章さんはかつての職場の同僚(重なった期間は短…