桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

2019-01-01から1年間の記事一覧

タペストリーの風景

9日間ワークショップ通訳の最終日。手織物をこよなく愛する海外からの参加者たちのタペストリー制作を、通訳しながら見届けた。自らデザインした絵柄を持ってきて、糸を染めて、使う色を選んで、絵を描くようにして織っていく。デザイン画は皆それぞれに深い…

ウェブ掲載:エンターテインメント『ギア-GEAR-』

京都でロングラン公演を行っている『ギア-GEAR-』というパフォーマンスがあります。たった一つの作品を8年にわたり上演し続けて、すでに3千回もの公演回数を重ねている舞台です。⼦どもから⼤⼈、お年寄りまで、地域の⽅から海外の⽅まで広く開かれた形でエ…

和歌山県人会世界大会

「和歌山県人会世界大会」へ行った。日系人をはじめ、和歌山にゆかりのある人たちが世界中から集っていた。 初開催とのことだが、どうしてこんなに盛大にできたのだろうか。発案者の、ある政治家の方が、日本はもっと世界に広がっていかないといけない。しか…

WOT《アリ・マルコポロス×ジェイソン・モラン『ザ・パーク』上映 + 石川直樹ビデオ上映×スガダイロー即興演奏》

WOT《アリ・マルコポロス×ジェイソン・モラン『ザ・パーク』上映 + 石川直樹ビデオ上映×スガダイロー即興演奏》というイベントに行った。 まずはNYブルックリンの公園で定点撮影した景色に、ピアノの即興演奏でサウンドが加えられた58分の映画の上映。続い…

「愛しのクマちゃん」

「愛しのクマちゃん」(作・演出 小栗一紅)という朗読劇を大阪のウィングフィールドで観た。 劇作家の大竹野正典さん亡き後の、大竹野さんに近しい人々の歩みを描いた作品。つい笑ってしまうエピソードの数々と、死に向き合うことの重石と、しっかり悲しん…

Lushlifeとの出会い

昨夜の出来事、朝起きてバッジがあって、夢じゃなかったんだと思う。ふらりと立ち寄ったジャズ喫茶。店内に入ると、写真集を手に感激している人に遭遇する。店主もニコニコしている。 その人はカナダから観光で来ているRobさんといい、ジャズピアニストのAbd…

ここでしか味わえないもの

駅の改札を出て、地図とにらめっこ。先月、一人立ちした沖縄小料理屋さんに再訪。暗い帰り道を一人歩かないといけないハードルさえ越えられたら...ほかに手立てがないのかと地図を眺めてみる。別方向から行ってみよう。広くて明るめの道を見つけた。これで大…

より道する

駅の改札を出て、地図とにらめっこ。先月、一人立ちした沖縄小料理屋さんに再訪。暗い帰り道を一人歩かないといけないハードルさえ越えられたら...ほかに手立てがないのかと地図を眺めてみる。別方向から行ってみよう。広くて明るめの道を見つけた。これで大…

「きょうとシティグラフ 2019」

「きょうとシティグラフ 2019」の配布が始まりました。京都の「まち」や「ひと」の魅力を伝え、京都に暮らす人が面白いと思える情報にこだわって作られているグラフ誌です。 今年から取材・執筆チームの一員に声をかけていただき、初参加。京都大学で「ごみ…

イストワールhistoire「港でカモメがやすんでいる日はね、千帆ちゃん」

港町・神戸で遊覧船ファンタジー号に乗った。イストワールhistoire第10話「港でカモメがやすんでいる日はね、千帆ちゃん」(脚本・演出:蟷螂 襲)という演劇を観るために。少しずつ港が遠ざかり、水平線が広がる。そんな開けていく景色を背景に、この港にま…

野外劇「日輪の翼」@神戸

生魚のにおい漂う、夜の卸売市場。こんな機会でもなければ、来ることは無かったであろう場所。ステージトレーラーで巡る野外劇『日輪の翼』(原作 中上健次、演出 やなぎみわ)。かつて熊野にあった〈路地〉の世界が、今回は神戸最古の港、兵庫津に現れた。 …

一人立ち

大切に思っている沖縄料理屋さんがある。だけどそこは駅から遠くて、帰り道が暗いので、誰かと一緒じゃないと、なかなか足を運べなかった。今晩、思い立って、えいやって一人立ちした。わざわざ京都から来てくれたとママと娘さんが歓待してくれた。カウンタ…

道じゅねー2019

尼崎・戸ノ内の道じゅねーに参加。今年で27回目の開催になるという。約二時間、界隈を演奏して踊り、練り歩く。それに地域の人々が付いていく。 椅子を持ってきて、ずっと道の角で座って見ていたおばあちゃんがいた。パフォーマンスが通り過ぎると、立ち上が…

寄稿:劇団態変『イマージュ』「箱庭弁当」

大阪を拠点に活動する劇団態変が発行する情報誌『異文化の交差点・イマージュ』に寄稿しました。今号のテーマである、今こそ愛を、家族を問う、は切実。 私は先般、観劇した『箱庭弁当ーーさ迷える愛 破』のレビューを書きました。観劇後、ふいに主宰の金滿…

水俣へ、野生の旅

初めての水俣。2泊3日のほとんどを山で過ごした。水俣の7-8割方は山や森。「野生」という言葉に魅かれ、未知の世界にエイヤッと飛び込んでみた。 自然林90年、人の手が入っていない森に入った。落ち葉がふわっとやわらかい。暗くなると、菌の光が見える夜が…

寄稿:『大阪春秋』エッセイ

縁あって『大阪春秋』という郷土季刊誌にエッセイを書きました。届いたばかりの見本誌には、刷りたてのインクや紙のにおいがふわっと漂い、雑誌は生き物だなあと感じます。夏号の特集は「おおさかの城」。シブい。和泉国だった頃の岸和田のお城の地図も付い…

ウラジオストクーー対岸から日本を見る感覚

空と海。二つの青の間を通り抜けて、帰国した。ウラジオストクの旅で、ヨーロッパ大陸から日本を見るのは新鮮だった。股からのぞいて、日本列島をひっくり返して見ている感じ。 この対岸から日本を見る感覚、これからも併せ持っていたい。日本語と英語の言語…

ウラジオストク 最終日ーー北朝鮮料理店へ

お昼に北朝鮮料理店に行った。ウラジオストクには北朝鮮から働きに来ている人たちや一部留学生がいるようで、レストランがいくつかある。そのうち、日本語のメニューがあるというレストランに足を運んだ。そこは、ウラジオストク駅からバスに乗って南へ10分…

ウラジオストク 2日目ーージョージア料理!

ジョージア(旧グルジア)料理を食べた。世界にはこんな料理があるのか!と感激するくらい美味しかった。 行ったお店は、いつも入口に人だかりができている繁盛っぷり。店内はジョージア人らしき姉さんたちが笑顔で迎えてくれて、英語もスムーズでホスピタリテ…

ウラジオストク 1日目

気温20度前後。酷暑の日本を出て、生き返った心地がする。街中には、韓国からの観光客や、中央アジアから働きに来ている人たちが多い。ロシア人男性は皆、軍隊で鍛えられているのが体格から見てとれる。ここは、他の国みたいに日本人だからといってジロジロ…

2時間でウラジオストクへ

雲海の間を通り、ウラジオストクへ。 飛行時間およそ2時間。近い! 空港に着くと、旅慣れた友人が「ここはロシア」とつぶやき、身が引き締まる。 ロシア語の文字が読めない。英語よりも、韓国語が併記してあったり、韓国企業の広告が街中に目立つところに、…

英語版Talkin'About「ビバ!日本伝統音楽~南米コロンビアの視点から語るその魅力~」リポート

6月26日開催の英語版Talkin' About「ビバ!日本伝統音楽~南米コロンビアの視点から語るその魅力~」は、日本・アジアの伝統音楽の魅力を発掘していくようなワクワク感のあるひとときとなりました。サロンでは、マウリシオさんの日本の伝統音楽との出会いから…

明日です! 6月26日(水)19時~英語版Talkin'About

明日26日(水)19時から、大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室(グランフロント大阪北棟内)で、英語版Talkin' About「ビバ!日本伝統音楽~南米コロンビアの視点から語るその魅力~」を開催します。 話題提供してくださるマウリシオさんは、京都・…

劇団態変「箱庭弁当」

劇団態変の舞台「箱庭弁当」を観た。お弁当の中身が飛び出して旅に出るファンタジー。 態変の個々の身体表現と、クレズマー音楽という東欧ユダヤ人固有の器楽演奏が、ひとつになって流れゆき、この世の面白さやもの哀しさを見せてくれた。そこに言葉は、ない…

告知:英語版Talkin'Aboutについて

南米コロンビアから来られたマウリシオさんと、若州一滴文庫の劇場(福井県おおい町)で開催された、竹人形文楽の公演「越前竹人形」(水上勉原作)へ。駅からも遠く、交通に不便な場所にあるのに、全国各地から鑑賞にやって来る人が多い、知る人ぞ知る公演。聞…

書かないと残らない

福井県の美浜町が、明治後期から大正にかけて「アメリカ村」と呼ばれていた頃のことを調べ始めた。ありがたいことに大阪府立図書館で「わかさ美浜町誌」シリーズがあった。半日かけて目を通すも、情報量が少ない。1914年当時、美浜からアメリカ本土に移り住…

告知:英語版Talkin'About「ビバ!日本伝統音楽」~南米コロンビアの視点から語るその魅力~

6/26(水)19時から、英語版Talkin'Aboutを開催します。Talkin’About「ビバ!日本伝統音楽」~南米コロンビアの視点から語るその魅力~Viva! Japanese Traditional Music - a personal discovery from Colombia 2019年6月26日(水)7pm~9pm話題提供:マウリシ…

「聞く」の身体感覚

5月から、身を置く環境が変わった。水のきれいな谷間に通う日々。そんな緑の多い日常から街中の喧騒に入ると、かなり眩しく感じる。目の感度が変わってきているのかな。そして、人の解説や説明を聞くと、その必要がない場にいても反射的に英語に通訳しようと…

水上勉さんと乾千恵さん

故郷の隣町出身の作家、水上勉さんのことが気になり、作品を少しずつ読んでいる。ここ8年ぐらい、ずっと思い巡らせていることがある。それで、水上さんの作品を読んでいけば、もしかして何かつかめるかもしれないと思って読み始めると、行間から立ちのぼる生…

ウェブ掲載:劇団スタジオライフ『なのはな』2

劇団スタジオライフに関する執筆記事が、アイデアニュースに連続して掲載されました。少女漫画家の萩尾望都さん原作の短編漫画を初舞台化した『なのはな』についてです。2月末に開幕した本作品の東京公演の記事を別の媒体で書いていたのですが、その後に続く…