桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

日記

耳の記憶がよみがえる

2022年3月28日は生まれて初めての手術だった。朝9時スタート。「手術室に入った時に流す音楽のご希望はありますか?」と看護師さんに聞かれ、とっさに浮かんだ"Mannenberg"(Dollar Brand)をリクエストする。 「南アフリカの第二の国歌と言われるくらい親し…

語らいのひとかけら

言葉に縛られなくていい、ことばはもっと自由なはず。産んだ人が自動的にお母さんになるわけではない。産んでない方が自動的にお父さんでもない。そんなかぞくの形だってあるよ。性がゆらいで生きている人だっている。どちらかではない、ただ、わたしはわた…

詩:なごみの時間

夜寝る前に詩を読むようになったのは昨春から。近頃どうしようもない心の渇きを自覚し、手に取って読める活字の本や雑誌の中で、ふと出会う言葉が自分への水やりになっていた。 そんな時、友人が詩のオンライン朗読会を開くというので参加に手を挙げた。11名…

「ザ・アメリカーン」なチョコチップクッキー

「おっきくて、ザ・アメリカーン」なチョコチップクッキーは、昔アメリカに住んでいた私にとっては、ソウルフードのような存在。 「ペンとスプーン」編集長の多田千香子さんが、9年前に「世界のおやつ旅」をして本を書いた時、アメリカ・シアトルにも来られ…

「ありがとうな」

先日、81歳の現役の方にインタビューを行った。定年までの42年は手染めの職人して、定年以降は培った技術を教える仕事を21年、通算63年、手しごとの道を歩んでこられている。自らの歩みをじっくりと語るインタビューを受けたのは初めてらしく、事あるごとに…

声をかけるのを躊躇しない

一昨日、自転車で街中を走っていたら、バングラデシュ人のご家族が道ばたでしゃがんでいるのが見えた。 一旦は通り過ぎたものの何となく気になって振り向くと、お父さんらしき人が辺りをきょろきょろしていて、近隣の人たちが遠巻きに見ているものの誰も近寄…

建物に染み込む旅の気配ーー五条ゲストハウス

五条ゲストハウスのカフェが再開したと知り、訪れた。約2カ月ぶりの店内。入ってまず感じたのは、空気感が変わっていないこと。その場が海外からの観光客で賑わっていなくても、長年、人々が行き交ってきた気配は建物にしみ込んでいて、それは2カ月閉めてい…

再び、五条ゲストハウスへ

再び行かずにはいられなかった、五条ゲストハウス。先日、オーナーの方の切実な投稿を読んで、カフェを訪れた。そこで、空間に立ち込める旅人の濃厚な気配に魅了されて、再び夜のカフェへ。 カウンターで注文時、スタッフの方と少し長めに目が合った。「もし…

五条ゲストハウスへ

今朝、京都のゲストハウスのオーナーの方の投稿のシェアをたまたま目にした。文章に切実さを感じ、まずは行ってみようと思い立ち、夜のカフェへ。どれだけ深刻なのだろう…とドキドキしながら中に入ると、カフェには旅人らしき3人が、それぞれにご飯食べたり…

海の青、波の音、磯の香

帰省の最終日、高浜町へ(福井県)。波の音に誘われて海に出た。磯の香りが漂う若狭湾。空の青、海の青に、私も染まっていくような気分になった。 高校の友人の一人は、故郷の高浜町で子育てしながら、ドイツの会社に属してリモートワークをしている。それは…

より道する

駅の改札を出て、地図とにらめっこ。先月、一人立ちした沖縄小料理屋さんに再訪。暗い帰り道を一人歩かないといけないハードルさえ越えられたら...ほかに手立てがないのかと地図を眺めてみる。別方向から行ってみよう。広くて明るめの道を見つけた。これで大…

コミュニケーションって、何だ

新今宮のセルフたこ焼きバーに再来。駅のホームに降りた時から、外国人観光客の多さに、一瞬自分が旅人になったかの錯覚を覚えた。 こたびの店員さんは、オカリナ奏者のマットさんではなかった。セルフと忘れてうっかり具材を入れるベスト・タイミングを逃す…

脱皮?

無事に朝を迎えた。目と鼻の先にある桂川が、なんとか持ちこたえてくれたことの深い感謝。ニュースを見ると、各地で被害が出ていることの痛み。気持ち的な疲れを感じつつ、ベランダの窓を開けると、見たことのない鮮やかな黄色の羽虫がとまっていた。手前は…

川の側に暮らすということ

避難勧告が出て二時間が経った。5年前の桂川氾濫時は昼間だったから、近くの小学校に避難したけど、今回は夜なので家にいる。帰宅すると、つばめが電線に等間隔でとまっていて、いつのまにかできていた蜂の巣に蜂がわらわらと戯れていた。小さな世界が騒が…

西成と外国人とたこ焼き

新今宮のセルフたこ焼きバーに行った。「たこ焼きおいしいよ」と道行く人に声をかけるスタッフのマットさん。カウンター越しに焼き方を教えてくれた後、オカリナで「となりのトトロ」を吹き始めた。次第にお客さんが吸い寄せられ、気付けば14人、店内にひし…

会津のお酒と

会津のお酒をたらふく飲んで、語らう。はじめましての方がほとんどなのだけれど、この「はまなかあいづ文化連携プロジェクト」に思いを持って全国から集っている方々というだけで、なんだか安心感があった。自己紹介だけで二時間。参加者の熱気を浴びながら…