桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

イストワールhistoire「港でカモメがやすんでいる日はね、千帆ちゃん」

港町・神戸で遊覧船ファンタジー号に乗った。イストワールhistoire第10話「港でカモメがやすんでいる日はね、千帆ちゃん」(脚本・演出:蟷螂 襲)という演劇を観るために。
少しずつ港が遠ざかり、水平線が広がる。そんな開けていく景色を背景に、この港にまつわる営みが繰り広げられる。
「水先人」という職業がある。
この水際で、この物語に出会うことの意味を知っていく。
船が折り返すと、海上から今度は港、まち、山や空がひとつの大きな景色として目の前に広がった。その時、かつてこの場所で生きてきた無名の人たちの力が合わさって、このまちが作られているんだということがストンと胸におちた。その光景はまぶたの裏に焼き付き、地上に戻った今も思い出すと、いとおしい気持ちになる。
雨予報の不安定な天候だった土曜日。それでも乗船中は凪。降船直後に大雨が降った。この物語は、この港に守られているみたいだと感じた。
公演は20日(日〈13時、17時〉)が最終日。

 

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