桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

和歌山県人会世界大会

和歌山県人会世界大会」へ行った。日系人をはじめ、和歌山にゆかりのある人たちが世界中から集っていた。

初開催とのことだが、どうしてこんなに盛大にできたのだろうか。発案者の、ある政治家の方が、日本はもっと世界に広がっていかないといけない。しかし残念ながら、日本の地方は必ずしも元気ではない。ふるさと和歌山県の再生を図っていかないと。海外で開拓されてきた皆さんと交流、協力していきたい。これを機に、世界大会が連綿と続いていくことが願い、と挨拶していた。

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日系ブラジル移民の方々と親交のある、シンガーの宮沢和史さんがゲストで来ていた。まだ足跡のない道を1世の人たちが歩いて作ったから今がある、とねぎらいの気持ちを込めて作られた曲『足跡のない道』。出稼ぎで海外各地へ渡った“はたらきびと“の子孫の方々を前にして歌われたその曲は、胸に迫るものがあった。

フィナーレの『風になりたい』では、地元の高校の吹奏楽部や、アルゼンチンの和歌山県人会の人たちも地元の小学生からプレゼントされたマラカス片手に参加。会場全体で大合唱。映像に映し出された歌詞には、ローマ字が併記されていた。そうか、ローマ字はこんな風に役立つのだな。いろんな人たちが交ざり合って調和する空間。最後の一曲は、まるで理想郷みたいだった。


帰宅して、宮沢さんプロデュースのGANGA ZUMBAのCDを引っ張り出す。このCDがリリースされた2008年当時は何気なく聞いていたものが、11年経って、今ならその背景に近づいて味わえる気がする。

そんな音楽との出会い直しがあった日。私の祖先のふるさとでは消えかかっているものが、この日、和歌山では燃え盛っていた。そのことの羨望と敬意を抱いた夜。

 

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