ウラジオストク 1日目
気温20度前後。酷暑の日本を出て、生き返った心地がする。
街中には、韓国からの観光客や、中央アジアから働きに来ている人たちが多い。ロシア人男性は皆、軍隊で鍛えられているのが体格から見てとれる。ここは、他の国みたいに日本人だからといってジロジロ見られることもなくて、歩きやすい。
バスの時刻表を手に入れようと売店に行ったら、英語がまったく通じない。ともかく「スパシーバ」(ありがとう)と店のロシア人らしきおばあちゃんに言って去ろうとしたら、「プリーズ」と返ってきた。お互い、唯一知っている単語を交わしてサヨナラした。
その後、バスはずっと巡回していて時刻表自体、存在しないことを知る。旅に出ると、そんな風にして、時間の管理がきっちりしている日本の日常から開放されていく。
お昼ごはん、たまたま入ったウズベキスタン料理屋さんらしき場所で、ケバブを頼もうとしても、「ビーフ」や「チキン」すらも伝わらない。店員さんがスマホのアプリの翻訳機能を使って「牛肉だ」と表示された画面を見せてくれた。
英語は必ずしも国際語ではないと実感。街中にたくさん看板や表示があっても、ロシアのキリル文字は読めない。ロシアの人は、わりと無表情なので察することも難しい。言葉に頼れない分、五感を働かせることを旅で鍛えられそうだ。
だから、バレエは楽しめた。