桝郷春美のブログ

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フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

自転車 Season 2 - はじまり

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「3月29日、まずはナイトウォークから始めるで」。なじみのジャズ喫茶で告知があり、1カ月以上前から日程をキープ。いきなり自転車には乗らずに、まずは夜のウォーキング in 滋賀。


満月の翌日、十六夜
満開の桜。
状況だけで満ち足りる。


「行きまっせ」。マスターが先導して、夜の道を歩き始める。
「始めと終わりは決まってて、あとはテキトーやねん。面白そうな道を見つけたらどんどん行く。ジャズと一緒」

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住宅街を抜けて、即興で案内してもらったルートは、土の柔らかな感触の田んぼのあぜ道だったり、傾斜をおしりですべり降りたり、片足幅のコンクリートのブロックを平均台のようにバランス取りながら渡ったりと、道かどうか定かではない、自転車では行けない場所もあった。しかも夜、マスターと一緒じゃないと行けない道。


「道は作んねん」
いつだって、それを体現しているマスター。
オレの道を作る
ーーそこに通底しているジャズ。


コミュニティができる、関係が育まれる
ーー共にお店を作ってこられたミチヨさんの懐の深さと、お客さんのユニークさ。


そこには上も下もない。
滋賀の平野みたいにフラットだ。


夜中1時、起きている人たちで再び近所を歩く。シンと静まる、無音に近い状態が心地いい。鎮守の杜では水が流れる音が、田んぼではカエルの声が、それぞれ辺りに響いていた。カエル、早くね? おたまじゃくしは? 桜の開花と同じく、今春は自然界の進度が早い。


初めは雲に見え隠れしていたお月さんが、深夜になると空高く、くっきりした輪郭を見せて輝いている。街灯がない所でも、月明かりで影ができる。月の光を浴びながら歩く。

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「こうして五感を研ぎ澄ます時間は必要」
そう話す、ジャズ・シンガーのタケウチさん。共感した矢先、「これはウォーミング・アップやで。本番は明日。『花よりお肉』やから」と。肉が大好物のタケウチさんは、自身のライブ前の緊張感と同じ状態で、翌日の焼肉に臨んでいた。


そんなこんなで春がやってきた。いよいよ今シーズンのサイクリング in 滋賀が始まる。

 

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