桝郷春美のブログ

harumiday_桝郷春美のブログ

フリーランスのライターです。執筆記事や日記など。

Walkin' About 水無瀬

この2カ月ほど、ずっと「開く」ということを考え続けている。
自分を開く、場を開く、可能性を開く。
開くって、いったいどういうことだろうか、と。


かれこれ4年になるのかな。大阪と京都の間にある島本町に通うようになったのは。きっかけは、前の職場のもと同僚が住んでいて、すてきな本屋さんがあると知ってから。本屋さんを通じて、本当に心を開いて話ができる友人ができていった。


以前、この町に行った時のことを投稿したら、山納さんが、参加者が独自の目線でまちを切り取って、見てきたものを互いに共有するWalkin' Aboutという企画に、この町を選んでくださった。


歩いた後の共有の時間。
この時期に20人ほどが集える場を見つけるのは難しいねと話していたら、駅前の広場は? いける! 長谷川書店とやまねこハウスから椅子を出せる、みんなで運ぼう、という具合に、その場でトントン拍子で決まった。地元の人や、Walkin' Aboutの常連さん、ご近所さん、初めて町に来た人など、さまざまな人が、この町で過ごしたそれぞれの2時間を語っていった。それは、風通しのいい、ひとときだった。


なんだろな、この風通しのよさは。
昔、この町には離宮があり、庭園もいくつもあったのだそう。いわば、町全体が大きな庭だった、と地元の参加者の一人がすっくと立ち上がって、一帯に大きな円を描くように、腕をめいっぱい広げながら教えてくれた。


だからなのかな。駅前を歩いていても、立ち止まっても、内と外の隔たりがあまり感じられない。
人も、町も、開いている。
だからここでは、ふっと肩の力を抜いて、ひとときゆるめられる。


自分を開く、場を開く、可能性を開く。
執筆の仕事に切羽詰まりながら、ずっと考えてきたことの兆しになるような何かが、この日あったような気がする。